昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー) 、昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー) (ともに平凡社新書、半藤一利)を読んだ。イザベラ・バードの「日本奥地紀行」といい、平凡社新書は良書を出版してくれる。
講演を書き起こしたものなので読みやすく、昭和史を理解するには格好の書。ペリーの来訪により開国し、明治の国づくりをへてロシアや中国、そして世界相手にケンカを売り、第二次世界大戦で連合国(アメリカ)に負けて占領を経験し、経済大国としての復興するまで流れがよく分かる。
読んでいてとにかく頭にくるのが、日本軍(とくに陸軍)のいい加減さ。日本軍は鉱物資源の獲得や軍事上の戦略などさまざまな理由で、中国大陸、東南アジア、南洋などに進出していくわけだが、他国に戦争を仕かける理由が、いかにもくだらない。
たとえばインパール作戦の司令官は「手柄をあげて出世したい」との個人的な欲望から、戦線に兵隊を投入していく。あきらかに無謀な作戦なのに、不利になっても撤退しないことが火に油を注ぎ、戦死者の山を積み上げていく。
思えば、私の祖父もフィリピンで戦死したわけだが、出世欲にまみれたアフォ司令官のために死んだと思うとやりきれない。その後、残された祖母はたいへんな苦労をしたわけで……
そのようなことも含め、日本の歩んできた軍国主義の幼稚さをも教えてくれる本。



