週刊東洋経済の特集「アマゾンの正体 知られざる出版革命」(2009年8月29日号)を興味深く読んだ。
アメリカでは電子ブックリーダーの「キンドル」が普及しており、ベストセラー書籍はもちろん、雑誌、新聞なども端末にダウンロード配信されているという。
特集では利用者の声が紹介されていて、「出張に持て行けて便利」「海外旅行に行くとき、コンテンツをたくさんダウンロードしていく」などの利用法があがっている。
なるほど。とくに旅先では本を何冊も持っていく必要がなく、キンドルひとつで済むわけだ。私も昔、長期の海外旅行に出かけるとき、現地で読む用に文庫本を4、5冊厳選しつつ携行していたものだが、そんな苦労もなくなる。
ぜひ日本でも発売してほしいものだと熱望するが、同特集によると、我が国出版業界の反応はややつれない。
「キンドルが日本にやってきたところで、めぼしいコンテンツは集まらない。多少集まっても、米国のように新刊本をお値打ち価格で発売することは絶対にできない」(大手出版社社長)
既得権益を守ろうと必死の大手出版社社長。そのとき私は「政治でさえ変わろうとしているのだから、おまえらも変わらんかい」とブチ切れ、目の前のパソコンモニタに右フックをくらわせようとして、すんでのところで止まるのであった……。あ、本題を外れました、さーせん。
要するに、日本の出版社は再販売価格維持制度で守られているから、書店で売るより条件が悪くなるキンドルにはコンテンツを卸さないんじゃ。前例をみてもソニーとかが撤退してんじゃん、と言いたいらしい。
これは疑問ですね。理由は2つある。衰退の一途をたどる出版業界の救世主になるかもしれないのに、導入しないのか。PC、携帯になじんだ若年層はモニタで文字を読むのに抵抗がない。書籍・雑誌離れを食いとめる処方箋になるかもしれない。
再販制度をブチ壊すまではいかなくても、少し規制緩和して、需要拡大の可能性を探ってみるのもいいじゃないか。いまどき既得権益にしがみついている業界は、真綿じゃなくて荒縄で首を絞めているくらい急速に、「死」に向かっていると思う。



